仕事でたくさんの案件を抱えて急いで書類を作るときに
ほんの数秒前に作った書類が見当たらなくてひっかきまわして散らかしたり
どこになくしたんだこのクソボケと
ああ自分は小学校の頃のぶきっちょでいじめられて怒られてばかりいた
頃と何も変わらないアホガキであの頃の太った不細工な間抜け面の自分を
おもいっきり殴り倒したくてそれでもどうにか書類を集めて

その後仕事の原稿を作ったらインク切れで補充しようとして
両手とシャツとテーブルにインクをぶちまけ
もう何とも言えない気持ちになった。

僕はどんなにおしゃれになっても口ではしっかりした発言をしたり声明を出しても
イケメンですね男前ですねと褒められて一瞬は嬉しくなるけど
こういうちょっとしたことで一瞬でモノの置き場を忘れたり
なにかをこぼして汚したり
そんなことばかりで子供の頃の間抜けで不細工な自分と何も変わらない。
本当に大嫌いだ。
こいつがいたせいでこいつのせいで僕は苦しみ続ける。

よく過去の自分を殴りたいと言う人がいるが
そういう人は当時の自分の選択を間違ったとかなまけてしまったとか
そういう行動の問題で殴りたいと思っている人がほとんどだろう。

でもたっ君は違う。
生まれたときからのスペックからがすでに修正不可能だったのだから。
字が書けないとか
手先が絶望的に不器用とか
練習や努力でどうにもならないレベルでつらくてひどくて
怒られて怒鳴られて手を叩かれいじめられ体をつねられ
自分が悪いのか
いじめたり怒ってくるこの社会が悪いのか
とにかくよく分からないけどとにかく自分でもどうしようもない不便さやつらさを感じていて
それでもどうにか生きてきて
がんばってはいるけど
そういう手先の器用さが絶望的にひどかったりモノの置き場について混乱したり
シャツや手を汚したりして
それが何一つ変わらなくて
だから僕は一生これからも怒られたりいじめられたりするのだろうかと
小中学校のときと何も変わらないような扱いを受けるのかなと思ったりして
子供の頃の自分をさらに激しく憎んで嫌悪する。
お前さえいなければよかったのにって。
だって子供の頃の僕は今の僕と同一人物だが認めたくない。
あんな間抜けと俺を一緒にするな!

変わりたくて。変わりたくて。
カッコいい仕事のできる男になりたくて。そうなるようにあがいてもがいて。
それでも僕は子供の頃の自分の間抜け面を何度も殴り続ける。